■現在の見積について
      建築価格はとかく不透明

       
  PARTNER ARCHITECT DESIGN LAB.  TEAF ARCHITECT 辻 史彰

このページを見られる方は、少なからずも家造りを考えている・・・・・これから建設会社あるいは設計事務所に見積をとろうとしている人。もしくは、もう手元に見積書がある人ではないだろうか。
見積の疑問、それは私が建築にたずさわって十数年いまだ解決しない問題である。
 私は、大学を卒業後、都内の設計事務所に入所し、大規模公共事業を中心に、その設計・積算(見積)・工事監理にたずさわってきた。行政庁から提示された予算案をめどに打合せを繰り返し、図面をかき、出来上がったら金額をはじく。それぞれの工事、たとえばサッシ業者に見積をとり、それぞれを集計し全体の工事金額を見積もる。その時に計算するサッシの金額は業者の出した見積にたとえば0.7という数字を掛けて値引きを行う。全体の工事金額に、建設会社の現場経費本社経費を上乗せして、見積は完成である。
そして程なく入札がそれよりもちょっと低いところで行われる。ゼネコンが決まり工事が始まる。

 その後それぞれの工事業者さんとより細かな打合せがはじまり、世間話も含め多種多様な話をする。
たとえば前出のサッシ屋さん。実際の金額は口が裂けてもいえないらしいが、見積金額の0.3やら0.4やらという掛け率らしい。その差額はどこへ行く。(サッシだけでも億を超える工事が多い 1億×0.33000万円)公共事業は税金の塊なんだが・・・・・いくつかの事業の設計を行い、10数年後、ゼネコンの設計部に2年ほど勤めることとなった。もうすでに解っていたことだが、見積×0.7での予算に対し×0.4の実行金額その差の0.3は、どこへ消えるか 当然の話、ゼネコンの経費となる。
ゼネコンの経費はちゃんと見ていたはずでは・・・丸儲けである。
 けしからんゼネコン・けしからん公共事業(注、今は昔ほどひどくありませんので、ちゃんとやっている行政庁・ゼネコンもあります。) 決して公共事業の悪口やゼネコンのことを言いたいわけではない。今これをお読みの方、「けしからん公共事業・ゼネコンと官庁の癒着だっ! ひどい」とお思いか? 政治の話? 他人事?いや、そうではありません。

 あなたの手元の見積書あるいはこれからとるであろう見積書、同じ現象が起きているのです。